■かえでの国より
夏時間に変わり、日も少しずつ長くなり、春はすぐそこまでやってきた気がします。「春がきたな」と感じるのは、やはりメープルシロップ祭りです。メープル樹液の採集は、日中と夜間の温度差が激しい1年に一度のこの時期だけなので、まさに冬のカナダの風物詩です。シロップの収穫を祝うイベントでは、先住民の恰好をした人達が、メープルシロップ樹液から糖分を抽出した先住民の生産方法を見せてくれるので、タイムスリップした気分になれます。樹液を煮詰めて沸騰したメープルシロップを雪で作った台の上に流し、冷えて固まったところを棒でクルクルしたメープルタフィを舐めていると、子供の頃の水飴を思い出し甘く懐かしい味がします。でもやはり私の一番の楽しみは、パンケーキにメープルシロップをたっぷりかけて食べる瞬間が、最高の幸せです。今年は残念ながらコロナの影響でお祭りは開催されず、ちょっと寂しいので、裏庭の一本のメープルの木の雫を試しにちょっと舐めてみると、気持ちほんのり甘~い味がしました。気のせいかな? 日本の皆様も穏やかな春の日和をお楽しみください。 |